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Altair_Ichikawa

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  1. Radiossは動解析です。従って重力に限らず、力が作用した場合にはf=Maで加速度が発生します。従って当然のことながら密度が異なれば結果も変わります。
  2. 解析で物性値を与える時点で、既に時間の単位は決定されています。例えば質量をKg、長さをmm、応力をGPaとした場合、時間の単位はmsecでないと、F=Maの関係が成り立ちません。従って、/FUNCTでの値も変位の単位は長さの単位と同じでなければなりませんし、時間の単位も同様です。 どうしても別の単位で与えたい場合には、例えば強制変位を与える/IMPDISPのAscalexとFscaleyで単位系が合う様に係数を掛けて調整する必要があります。
  3. 0を入力した場合にはデフォルト値が使われます。最大応力、破壊塑性ひずみのデフォルトはリファレンスガイドのページ記述されている通り、10^30です。aやε0等のパラメータは実測の引張り試験等のカーブから最小2乗法などでフィッティングを行うのが普通です。Radioss例題の例題11引張り試験の記述などがご参考になると思います。
  4. ビーム要素では軸力のほか曲げ、ねじり、せん断が働きます。要素の局所座標では、長さ方向がX軸ですが、Y軸を決めるために要素外の第3節点を指定します。       そのプロパティ/PROP/BEAMでは、断面積および断面2次モーメントを定義します。材料則では、トラスト同様、弾性(/MAT/LAW1)と弾塑性(/MAT/LAW2)のみ用いる事が出来ます。弾塑性材料を用いる場合、その降伏判定は、その断面力から直接、 により、判定されます。         ビーム要素ではこれとは別に、断面上に複数の積分点を設け、それぞれの位置と積分点が代表する面積を指定する事で、実際の断面形状を模擬する、積分型ビーム/PROP/INT_BEAMも用意されています。こちらのビーム要素では、降伏判定は積分点毎に行われ、それらの応力から断面力が計算されます。材料則では、弾性(/MAT/LAW1)と弾塑性(/MAT/LAW2)に加え、表形式の弾塑性(/MAT/LAW36)も用いる事が出来ます。         
  5. 自由度数の2乗で演算量が増えて行く陰解法とは異なり、陽解法では自由度数に比例してしか演算量は増えないため。陽解法のモデル化では、簡略化するのでは無く、シェルやソリッドで出来るだけ忠実に形状を再現して解こう、という文化がありますが、やはりトラスやビームのような1次元の要素で簡易的にモデル化したい、という場合もあります。 このため、使える材料則等、機能は限られますが、トラスやビーム要素も用意されています。 トラス要素は、2節点でその長さ方向を定義する軸力だけが作用する一定断面の要素です。そのプロパティ/PROP/TRUSSで断面積を定義します。材料則では弾性(/MAT/LAW1)と弾塑性(/MAT/LAW2)のみ用いる事が出来ます。
  6. Radiossのソリッド要素は、6面体のヘキサ要素と4面体テトラ要素です。5面体のペンタ要素が必要な場合には、ヘキサ要素を縮退させて用います。ヘキサ要素では1次8節点ソリッドと、2次20節点ソリッドがあります。8節点ソリッドでは、デフォルトは古典的アワグラスコントロールの1点積分要素ですが、物理アワグラスコントロールの要素(HEPH)、完全積分要素も選択できます。これらはソリッドのプロパティで定式を指定します。テトラ要素では4節点テトラ要素と2次10節点テトラ要素を用いる事が出来ます。4節点テトラはデフォルトでは1点積分の1次要素ですが、プロパティでItetra=1 を指定する事で、各節点に回転自由度を導入した1節点6自由度の4節点2次テトラ要素とする事も出来ます。この要素では中間節点がありませんので、通常の2次要素の様な安定限界のΔTの低下なしに、精度の向上を図る事が出来ます。 ソリッドのプロパティでは、その使用目的(等方性、異方性)に応じて、以下のようなプロパティタイプが使用出来ます。 /PROP/SOLID:等方性ソリッド要素 /PROP/SOL_ORTH:直交異方性ソリッド要素 ソリッドプロパティ内で指定する、主なオプションは以下の通りです。 Isolid:ヘキサソリッド要素の定式化を指定 0:1点積分ソリッド要素(デフォルト、/DEF_SOLIDが指定されている場合はその値)、古典的アワグラスコントロール 24:HEPHソリッド要素、1点積分、物理アワグラスコントロール 17: 2×2×2完全積分ソリッド要素 Itetra:4節点テトラ要素の定式化を指定 0:1積分点の1次テトラ要素 1:1節点6自由度。4積分点の2次テトラ要素 Iframe:大回転の取り扱いに関するフラグ 0:非共回転定式化(デフォルト、/DEF_SOLIDが指定されている場合はその値) 2:大回転を取り扱う共回転定式化
  7. Radiossのシェル要素は4節点の4角形要素と3節点の3角形要素です。昔は、4節点シェルを縮退させて、3角形として用いる事も行われていましたが、現在では使われません。4角形要素の定式のデフォルトは、古典的なアワグラスコントロールに基づく、BT(Belytschko-Tsai)要素ですが、物理アワグラスコントロールの要素(QEPH)や2×2積分の完全積分要素(Batoz)も使用出来ます。これらはプロパティで指定します。3角形要素のデフォルトはC0 3角形要素です。1点積分ですが、アワグラスは無い要素です。但し、硬めの傾向を示す要素であるため、4角形と3角形のシェル要素を混在させてモデル化を行う際は、精度を重視するのであれば3角形要素は10%以下にするのが望ましいと言われています。完全積分の3角形要素(DKT18)も使用出来ます。 シェルのプロパティでは、その使用目的(等方性、異方性、複合材、積層等)に応じて、以下の様なプロパティタイプが使用出来ます。 /PROP/SHELL:等方性シェル要素 /PROP/SH_ORTH:直交異方性シェル要素 /PROP/SHCOMP:複合材シェル要素 /PROP/SH_SANDW:サンドウィッチ積層シェル要素 /PROP/SH_FABR:異方性繊維シェル要素 シェルプロパティ内で指定する、主なオプションは以下の通りです。 Ishell:4角形シェル要素の定式化を指定 0:BTシェル要素(デフォルト、/DEF_SHELLが指定されている場合はその値)、 1点積分、古典的アワグラスコントロール 24:QEPHシェル要素、1点積分、物理アワグラスコントロール 12:Batozシェル要素、完全積分 Ish3n:3角形シェル要素の定式化を指定 0:C0三角形シェル要素(デフォルト、/DEF_SHELLが指定されている場合はその値) 30:DKT18シェル要素、完全積分 Idrilll:面内回転自由度のフラグ 0:面内回転自由度なし、1節点5自由度のシェル要素 1:Optistructと同様の面内回転自由度を持つ1節点6自由度のシェル要素 N:板厚方向の積分点数 0:積分点を設けず、断面力から直接計算します(デフォルト)、降伏条件には以下のIllyusin条件で行われます。     ここに、、 精度的には3点の積分点程度 1~10:板厚方向の積分点数。1は膜要素として用いる場合 Thick:板厚の値 Ithick:板厚変化を考慮するかどうかのフラグ 0:板厚変化は考慮せず(デフォルト、/DEF_SHELLが指定されている場合はその値) 1:板厚変化を考慮 Iplas:塑性計算手法のフラグ 0:ラジアルリターン(デフォルト、/DEF_SHELLが指定されている場合はその値) 1:Newton-Raphson法による反復計算
  8. 陽解法の有限要素法では、要素の計算の全計算時間に占める比率が高くなることから、その計算時間を抑える為の工夫がいろいろと取り入れられていますが、弾塑性計算におけるラジアルリターン(Radial Return)アルゴリズムもその一つと言えます。塑性理論によれば、降伏後の応力点はその降伏関数上に無ければいけませんが、それをきちんと計算しようとすれば収束計算が必要になります。これに対し、ラジアルリターンでは、まず、弾性として応力の増分を計算し、計算された応力が降伏条件を超えた場合には、降伏関数上への戻り量を近似的に計算して、それを差し引いて新たな応力値とするものです。収束計算を行いませんので計算時間はより少なくできますが、精度的には下がります。これが今でもデフォルトですが、より高精度な計算を行いたい、という要望から現在ではNewton-Raphson法による反復収束計算も選択できるようになっています。これはプロパティのIplas(2:ラジアルリターン、1:反復収束計算)で選択できます。
  9. アワグラスモードの制御の為に人為的な抵抗係数を導入するのでは無く、仮想のひずみ場を導入してこれを有限要素法のエネルギー式に取り入れることにより、アワグラスモードの発生を抑える、という手法が90年代に入って生まれてきました。物理安定化(Physical Stabilization)と呼ばれるこの手法では、古典的なアワグラスコントロール(摂動型アワグラスコントロールとも呼ばれます)と異なり、アワグラス制御のために人為的な係数の導入を必要としません。文献にあります様に、元々は等方性弾性の4節点シェル要素に対して導入されましたが(QPH要素と呼ばれます)、これを弾塑性に拡張したのがRadiossのQEPH要素(4節点シェル要素)とHEPH要素(8節点ソリッド要素)です。これらの要素はそれぞれプロパティでIshell=24 、Isolid=24を指定する事で選択できます。古典的な1点積分要素に比べ、15%程度のCPU時間の増加で効率的にアワグラスの問題を避ける事が出来ます。これらの要素は当初は等方性材料のみに適用可能でしたが、現在では異方性材料にも適用できるように拡張されています。 文献:Ted Belytschko and Itai Leviathan, Physical stabilization of 4-node shell element with one point quadrature, Comput. Methods Appl. Mech. Engrg. 113, 1994, 321-350.
  10. 有限要素法の定式は、エネルギー最小化に基づいて行われていますので、アワグラスモードのような0エネルギーのモードが存在すると、抑えが効かないことになり、全体の解を壊す原因となります。これに対して、まず80年代に考えられた対処法は、このアワグラスモードを抽出し、その変形に対して粘性または剛性による抵抗を与えようとするものです。これにより、アワグラスモードは0エネルギーモードでは無くなり、自由には変形できなくなります。8節点のソリッド要素を例にとると、1節点3自由度ですので合計24自由度で、各方向に8つのモードが存在します。この内訳は、1つが剛体移動、1つが伸縮変形、2つがせん断変形で、残りの4つが下図のようなアワグラスモードとなります。これらのモードに対して、更にアワグラス以外のモードと直交するように処理を行った上で抵抗を与え、アワグラスモードの発生を抑え込みます。この直交化により、アワグラスモードへの抵抗の付与が他の変形に影響を与えなくする事が出来ます。 現在ではより進んだアワグラスコントロール手法も登場していますが、簡単で、なお有効な手法であることから、今でもRadiossの要素定式化のデフォルトで、粘弾性型の古典的なアワグラスコントロールが用いられています。 文献:D. P. Flanagan and T. Belytschko, A uniform strain hexahedron and quadrilateral with orthogonal hourglass control Int. J. Numer. Meth. Engrg., 1981, 17, 679-706.
  11. 陽解法では、要素の応力分布から要素の節点力(内力)の計算に要素内の積分を必要としますが、これには4角形シェル要素や6面体ソリッド要素では前節で述べたGaussの数値積分が用いられます。実際の積分は応力分布に内挿関数を掛けての積分になりますので、その関数の次数からは各方向に2点の積分点数が必要で、4節点シェル要素であれば面内に2×2=4点の積分点が、6節点ソリッド要素であれば2×2×2=8点の積分点となります。この本来2点の積分点数が関数を正しく評価するために必要なはずの数値積分に対して、これをより少ない1点で済ませてしまう、というのが次数低減積分(reduced integration)です。 陰解法の場合、その計算で最も時間が掛かるのは全体剛性マトリックスの連立一次方程式を解く部分で、計算時間を節約するためには自由度数を減らす事がもっとも有効になります。このため、粗いメッシュでも精度が確保できるように定式は複雑でもより高精度な要素が用いられる事が普通です。 これに対し陽解法では、全体剛性マトリックスを解く必要が無いため、1ステップでの計算量はずっと少なくなりますが、その中での割合を見ると、この要素の計算で全体の3割ぐらいあり、無視できません。そこで、次数低減積分を用いて、シェルでもソリッドでも1積分点での計算で済ましてしまう事ができれば、計算時間の大きな節約になります。 但し、1積分点という事になるとその位置は中央の1点のみですので、例えば、要素が下図の様に台形に変形した場合、要素が変形しているにもかかわらず、中央でのひずみは0で従って応力もエネルギーも0ということが起こり得ます。このようなエネルギー0での変形モードを、要素2つを並べると、丁度、砂時計のような形状となるためアワグラスモード(hourglass mode)と呼ばれます。
  12. -1から1の範囲である関数の積分値を求めるものとして、もし、その関数が1次式であるならば、台形公式を用いるものとすればその積分値はf(-1)+f(1)で得られます(下図参照)。 ただ、もしf(0)の値を用いるものとすれば積分値は2f(0)として、1つの点の値だけでその積分を評価できます。Gaussの数値積分は、このように特定の座標(この場合はξ=0)での関数値f(0)と重み(この場合は2)の積で数値的に積分の解を表します。 では関数の次数が更に上がった場合にはどうなるでしょうか。例えば下図の様な3次関数を考えると、線と線で囲まれたおのおのの面積を比較すると、3次関数の曲線とξ軸との間の面積、即ち、定積分の値は斜めの直線が作る面積と同じになります。更に、その面積は幅が1で高さがそれぞれとの長方形の面積の和になります。図の例に限らず一般論として、2点(と)の関数値と重み(それぞれ1)で3次関数の積分値が正確に与えられます。 Gaussの数値積分では、一般にはn点の積分点での値で、2n-1次の関数の積分を正確に与える事が出来ます。
  13. 有限要素法では要素毎の計算がいろいろと必要になります。例えば要素の応力から要素節点の節点力を求める、陰解法であれば要素剛性マトリックスを作成する、といった計算です。この計算では、例えばトラス要素であれば節点力は応力σに断面積AをかけてAσ、要素剛性はといった形で簡単に計算できますが、シェル要素やソリッド要素では要素の面積や体積での積分計算が必要になります。ただ一般の4角形や6面体の複雑な形状で直接計算を行うのは大変なため、一旦、これらの形状を正方形や立方体に写像を行い、定式はその写像された形状に対して行う、といった事が行われます。こうした要素をアイソパラメトリック要素と呼びます。 アイソパラメトリック要素では、4角形要素であれば、一旦-1から1の正方形領域に写像を行います。そうすれば、要素面積での積分は ここに、 という様に-1から1のξ、η平面での積分に置き換える事が出来ます。この面上での積分には通常、次に述べるGaussの数値積分が用いられます。
  14. マススケーリングは、時間ステップが小さくなっている節点に質量を付加して最小の時間ステップを大きくする手法ですが、質量が増えれば、当然のことながら、その部分の運動エネルギーが増加し、慣性力も大きくなってしまいます。 このマススケーリングの改良版でアドバンストマススケーリングと呼ばれる手法があります。これは、要素の質量行列において、  ここに、 とその対角項にΔmdを付加するだけでなく、非対角項でΔmndを引き算し、全体として、差し引き0とする事で、慣性力の増加をキャンセルしようとするものです。 アドバンストマススケーリングの適用にはEngineファイル(0001.rad)の中で /DT/AMS ΔTsca ΔTmin と指定すると共に、Starterファイル(0000.rad)においても、 /AMS と/AMSカードと空行1行を指定します。これでモデル全体にアドバンストマススケーリングが適用されます。ΔTscaとΔTminの意味合いについては、通常のマススケーリングと同じです。 アドバンストマススケーリングはすべての問題に対して有効、というわけではありませんが、特にスタンピング解析や、準静的解析では、通常のマススケーリングに比べて10倍以上時間ステップを大きくしても問題ない事が多いようです。但し、アドバンストマススケーリングでは非対角項を持つ質量行列を扱う関係上、1ステップの計算時間が3倍程度に増えますので、それ以上時間ステップを大きくすることが可能な場合には、有効な手段となります。 アドバンストマススケーリングの使い方の詳細については、Radiossユーザーズガイドのアドバンストマススケーリング(AMS)ガイドラインをご覧下さい。Radioss日本語ユーザーズガイドは、Altair Connect: https://connect.altair.com/CP/downloads.html?suite=HyperWorks よりダウンロードできます。 また、理論の詳細については下記、参考文献をご参照下さい。 文献:Lars Olovsson, Kjell Simonsson and Mattias Unosson: Selective mass scaling for explicit finite element analyses, Int. J. Numer. Meth. Engng., 2005, 63, 1436-1445.
  15. 陽解法では、これ以上Δtを大きく出来ない、という安定条件が存在し、これがCourantの安定条件と呼ばれる以下の式:  ここにlcは要素の代表長さ、cは弾性波速度、、E:ヤング率、ρ:密度 で近似できる事は、時間積分の安定性について(1)、(2)で示した通りです。安定限界は、要素の安定限界は節点の質量と剛性でも与える事が可能で、この場合、 、ここに、m:節点質量、k:節点剛性 となります。安定限界はモデル全体での最小の時間ステップΔtで決まり、モデル中に少しだけでも小さな時間ステップの部分があると、そのために計算時間が大きく伸びてしまいます。もし、その時間ステップを決めている節点に多少の質量を追加する事が出来れば、その分安定限界を大きく出来ますので、計算時間の節約になります。これがマススケーリングと呼ばれるものです。 マススケーリングはEngineファイル(0001.rad)の中で /DT/NODA/CST ΔTsca ΔTmin というカードで指定できます。ここに、ΔTscaは安定限界に対する時間ステップのスケールファクターで、デフォルトは0.9です。これは安定限界の0.9の時間ステップで計算する事を示しています。係数を小さくするほど計算自体は余裕代が増えますので計算は安定しやすくなりますが、計算時間は増えます。一般に非線形性の高い問題を扱う場合には0.67位まで小さくした方が安全です。ΔTminがマススケーリングで目標とする最小時間ステップです。大きくすれば計算時間は減りますが、その分、節点に追加される質量も増えることになり、解くべき問題を変えてしまう事になります。どの程度質量が増加したかは、Engineの出力ファイル(0001.out)のMASS ERR.に出力されます。一般には2%( MASS ERR.が0.02)位までであれば、結果に対してそれ程影響を与えないと言われています。モデルにも依存しますが、この程度までの質量増加でも時間ステップを数倍大きくする事が可能になる事がしばしばです。ΔTminの大きさに関しては、Engineを少しだけ実行するなどして、MASS ERR.の値を確認し、決めます。 モデルの要素や節点の最小時間ステップは、Starterの出力ファイル(0000.out)にも出力されますので、これを確認してメッシュの修正が可能であれば予め修正して時間ステップが大きくなるようにすべき事は当然ですが、複雑なモデルですべての修正は困難な事が多いため、こうしたマススケーリングが実際には多く併用されます。
  16. 動的応答では、低次の大域的な応答が重要であることが多く、高周波の振動はむしろノイズとして、減衰してくれた方が望ましい事が多くあります。このような目的から、高周波域で減衰特性を持ち、かつその程度をパラメータでコントロール可能な手法として提案されたのがHilber-Hughes-Taylor法です。この方法はNewmark法の拡張として定式化されていますが、減衰特性のコントロールのために新たなパラメータαが導入されていることから、HHT-α法(あるいは単にα法)とも呼ばれます。 Newmark法では、速度、変位が以下のような式で定義されます。   (1)   (2) モード座標系の運動方程式は、   (3) ですが、ここでパラメータαを導入し、以下のように表します。   (4) 簡単のため、外力と減衰を無視すれば、     (5) 式(5)を式(2)に代入して、を消去すれば、は時刻nだけの値を用いて表せます。同様にして、、についても求め、まとめると、以下の漸化式を得る事ができます。      (6a) ここに、        (6b) (6c)  、 安定条件を満たすためには、式(6)の係数行列Aの固有値の最大値が1以下となる事ですが、固有値問題より、 (7a) が得られます。ここに、 (7b) です。Newmark法では、が良く用いられ、この場合前節でも示した通り、無条件安定となりますが、そのスペクトル半径ρはΔtにかかわらず常に1となり、数値的な減衰は生じません。これ以外の値では、で数値的な減衰が生ずることが知られており、その際、で無条件安定となります。そこで、と置けば、でとなります。さらにこのγを前述の関係に代入し、と置けば、パラメータはα一つだけの積分公式とする事ができます。これを式(7b)に代入すると、係数はそれぞれ、 (8) となります。式(8)を式(7a)に代入することで次式が得られます。   (9) Δtが大きくなった場合の安定条件として、の極限を考えると、式(9)は以下の様になります。   (10) ここで、とすれば、。Newmark法(、)と一致しますが、そのスペクトル半径は1となります。αを変化させた場合、で無条件安定となりますが、においては、負のαの絶対値が大きくなるほどρは小さくなる(つまり減衰が大きくなる)ため、この範囲でαの値が選択されます。Radioss陰解法(およびOptistruct)でHHT-α法を用いた場合のデフォルトは 、つまり小さな減衰ですが、αの値を変えることでより大きな数値減衰を与える事もできます。
  17. ここでは、陰解法での時間積分公式としてよく用いられるNewmark-β法について見てみましょう。陰解法では、陽解法コードの様に安定限界が問題になることはありませんが、これは時間積分公式にΔtの大きさにかかわらず安定となる無条件安定の積分公式が用いられているためです。無条件安定の公式では、中央差分等を用いた場合と比べ、1ステップ当たりの計算時間もメモリーもずっと大きくなりますが、条件安定という制約条件が外れるために、ずっと大きなΔtで解くことが可能になります。 対象とする運動方程式は、簡単のため、中央差分での検討と同様に、   Newmark-β法(γ=1/2 、β=1/4)の変位、速度、加速度の関係式は:    これに、運動方程式を代入すると以下の式が得られます。   これをまとめて、   ここで、   の関係を考慮し、整理すると、       この固有値問題を考えると、   2次方程式の解と係数の関係より、であり、もし解が2実根を持つのであれば、1根は常に1より大きい事になりますが、解の公式より得られる根は:    より、である事から、解は常に虚根か重根になる事が解ります。結局:   2根の絶対値は: と、の大きさに関わらず1で一定で、無条件安定となります。
  18. 時間積分公式として、中央差分法を用いた場合の安定限界に関して、もう少し詳しく見てみましょう。運動方程式:   に対して、中央差分:     を代入します。運動方程式は簡単のため減衰と外力を無視すると、   となるので、これに中央差分式:     、 を代入すると、   整理して、       より、以下の漸化式が得られます。   ここに、積分作用素行列は、   で、この固有値問題:   より根が次のように得られます。   安定条件:    より、を考慮すれば、結局、   と、Courantの安定条件が得られます。
  19. 衝撃問題等を陽解法コードで解く際、これ以上Δtを大きくすると解が発散するという限界、いわゆる安定限界がある事が知られています。 これは、Courantの安定条件と呼ばれ、次式で表されます。   ここに、は要素の代表長さ、cは物質の弾性波速度で、、E:ヤング率、ρ:密度です。これが全ての要素に対して成り立つ必要がありますので、もし、物体の材料が均一ならば、1時間ステップΔtで弾性波が進む距離が最小の要素の長さよりも小さくなるようにする必要がある、というのがこの式の示す所となります。 ところで、数式の解が発散するかどうか、というのは物理の問題ではなく、あくまでも数学の問題です。言ってみれば、Courantの安定条件は、数学的な安定条件の物理的な解釈からなる近似式と言う事ができます。 それでは、数学的な見地から見た場合、この安定条件は、どのように導かれるのかを以下に見ていきたいと思います。 衝撃の問題であれ、振動の問題であれ、その支配方程式は、運動方程式で表す事ができます。    n自由度の運動方程式は、振動のモード解析で知られているように、   といった、n個のモード座標系での運動方程式の解の重ね合わせで表現できます。このどれか一つでも発散すれば、解は発散することになりますが、その中で一番条件的に厳しいのは、その最大固有振動数の場合ですので、このケースで解が発散しない事を示せれば、安定限界が求められる事になります。 一般に運動方程式を時間方向に解いていく際、その式は、外力等の既知の項を無視すれば、   という様な漸化式で表されます、mステップ先まで計算すれば、結局、    といった計算を行っている事に相当します。この係数行列Aが積分作用素行列と呼ばれます。この行列の固有モードマトリックスをP、その固有値をλと置くと、Aが2×2の行列であれば、 の関係が成り立ちますので、結局、   が得られ、mがいくら大きくなっても解が発散しないためには、作用素行列の固有値の絶対値が1を超えない事が必要である事が解ります。即ち、   です(ρはスペクトル半径と呼ばれます)。積分作用素行列Aの具体的な形は、用いた時間積分公式によって決まります。陽解法コードでは中央差分法が用いられますので、それによって安定限界が決まり、更にその近似としてCourantの安定条件が得られていた事になります。  
  20. 剛な物体の表現や物体の結合に良く用いられるツールに剛体(/RBODY)があります。これはマスター・スレーブ型運動条件の一つで、独立な自由度であるマスター節点と複数のスレーブ節点の節点群からなります。計算手法としてはまず、独立自由度であるマスター節点で運動方程式が解かれ、スレーブ節点はマスター節点との相対位置が変わらないように強制移動される、という様にして用いられます。剛体の移動をマスター節点でまず代表させる事から、マスター節点については、その節点座標がどこに入力されてもデフォルトでは計算時にその剛体の重心位置に移動されます。これはICoGオプションで変更可能です。 剛壁(/RWALL)も壁面の簡易的なモデル化としてよく用いられますが、これもマスター・スレーブ型運動条件として取り扱われます。固定剛壁であれば、その座標と法線等から規定される面の位置を求め、移動剛壁であればそのマスター節点の運動方程式を解いてその位置を求めて剛壁面を定め、その面を超えたスレーブ節点があれば、表面上まで強制的に引き戻す、という様にして計算されます。剛壁としては無限平面だけでなく、円筒面、球面、平行四辺形面が用意されています。また、移動剛壁では、その質量を与えて運動法手式を解くことで移動も表現できますが、あくまでも併進移動のみで回転は表現できません。 タイドインターフェース(デフォルト)、剛体、剛壁はいずれもマスター・スレーブ型運動条件ですので、そのスレーブ節点はそれぞれの従属自由度になります。従って、この節点に対して、他の運動条件(タイドインターフェースのスレーブ、剛体、剛壁、拘束、強制変位等)が加わると、一つの節点に対して複数の拘束条件が加わったことになり、矛盾(運動条件の非適合:Incompatible Kinematic Conditions)が生じます。これは、指定された拘束条件が無視されたり、時としてとんでもなく大きなエネルギーを生んだりしますので、エラーではなくワーニングですが、注意を払うことが必要です。
  21. 接触条件や結合条件等の拘束条件を表すための方法としては、いくつかの手法があります。例えば、節点1と節点2の変位が等しい、 u1=u2 という条件を表すためには: マスター・スレーブ型運動条件 これは、どちらかの変位(例えばu1)を独立変数とし、もう片方を従属条件、とします。運動方程式を解く際には、u1だけで解き、その後得られたu1をu2に代入すれば、この拘束の条件が、満たされます。つまり、独立節点(マスター節点)だけで先に運動方程式を解き、従属節点(スレーブ節点)は得られたマスター節点の値から拘束条件を満たすように強制的に動かす、と言う方法です。 かなり乱暴な方法ではありますが、一般に陽解法では時間ステップが非常に小さいため、このような方法でも可能になっています。 ペナルティ法による拘束 変位の拘束条件: u1-u2=0 に対して、以下の式 p(u1-u2)^2 / 2 を考え、これを有限要素法のエネルギー方程式に付帯条件として付加するのがペナルティ法です。pがペナルティパラメータと呼ばれ、これに対して大きな値を与える事で、近似的に変位の拘束条件を満足させます。構造問題の変位の拘束に対して用いられた場合、ペナルティパラメータはばね定数に相当し、変位の拘束条件を満足させる為に、硬いばねで結合した事に相当します。ペナルティ法は近似的な拘束条件ですが、その扱いが簡単なことから陰解法、陽解法を問わず、広く用いられています。 ラグランジュ法による拘束 変位の拘束条件に対してラグランジュ定数λを導入し、 λ(u1-u2) を有限要素法のエネルギー方程式に付帯条件として付加した上、λでも変分を取るのがラグランジュ定数法です。これは、運動方程式に、拘束の方程式を連立させて解くことに相当します。拘束条件の表し方としては、最も厳密な手法ですが、計算の手間も大きくなることから、主として陰解法で用いられる手法です。但し、Radiossの接触、運動条件にも一部導入されています。 タイドインターフェース(Type2)は、元々節点位置が一致しない異なるメッシュ同士の結合方法として考案されました。ベースになる考え方はマスター・スレーブ型で、マスターセグメントの節点を独立節点(マスター節点)とし、セグメント上のスレーブ節点に掛かった力、モーメントはこのマスター節点に分配した後に、マスター自由度のみで運動方程式を解き、その変形が得られた後、スレーブ節点はマスターセグメント上でのアイソパラメトリック座標が変わらないように強制的に移動されます。 このように、元々は異なるソリッド等のメッシュの結合として生まれたType2インターフェースですが、スポット溶接を模擬するbeam_typeスプリングをメッシュに結合するためにもType2インターフェースが用いられるようになっています。元々のスレーブ節点への力、モーメントのマスター節点への分配が単純分配(spotflag=0)であったのに対して、こちらの手法では、ビームタイプスプリングへの力、モーメントがマスター節点の力と釣り合うように分配されます(spotflag=1)。但し、どちらもマスター・スレーブ型の運動条件ですので、スレーブ節点は従属自由度で、その節点に新たに別の拘束条件が加わると矛盾(運動条件の非適合)が生じます。そこで、この非適合の問題を避けるためType2インターフェースに対してもペナルティ法に基いた拘束(spotflag=0、1に対応してそれぞれ27と28)が導入されています。
  22. 板物の接触であれば、板厚相当のギャップを与える事で、Type7インターフェースでほぼ全ての問題をカバーできますが、ソリッド同士の接触の場合、Type7インターフェースではギャップ相当の初期隙間を常に与える必要があり、密着しているソリッドのモデル化には不便です。そこで、ギャップ0が可能なソリッド用の接触インターフェースとして開発されたのがType24です。このインターフェースではソリッドに対しては0ギャップがデフォルトで、シェルに対しては板厚相当のギャップが考慮されます。ペナルティ法に基いた接触インターフェースですが、ペナルティ剛性は一定で、接触によるΔTの低下はおきません。 接触の定義にはサーフェス1、サーフェス2、節点グループを用いることができ、 サーフェス1+サーフェス2:サーフェス対サーフェス接触 サーフェス2+節点グループ:サーフェス対節点接触 サーフェス1のみ:シングルサーフェス接触 を定義できます。オプションInacti=-1とすることで圧入の問題に対応することも可能です。 Radioss 2017.2からは、新しいオプションIedgeが追加され、Iedge=1とすることで、エッジ接触にも対応できるようになりました。このオプションを用いると、ソリッドではEdge Angle(デフォルト135度)以下の要素の辺がエッジとして認識され、Type11同様、エッジ同士の接触が取り扱われます。なお、このオプションはHyperMesh2017.2の段階ではまだ対応できていないため、現状、設定には入力データのテキスト編集が必要です。
  23. 板構造であれば構造全体にType7インターフェースを設定する事で、多くの場合、接触の問題は十分に対応できますが、Type7インターフェースは、あくまでも面と点の接触であるため、シェルのエッジやとがったソリッドの先端が接触するような場合、面と点はまだ接触していなくても、要素同士で見ると貫通が生ずることが起こり得ます。これに対応するエッジ接触がType11インターフェースです。 Type11インターフェースでは線(エッジ)と線(エッジ)の接触を取り扱います。線と成り得るのは、ビーム、トラス、スプリングといった線要素と、シェル、ソリッドの辺(エッジ)です。 接触のアルゴリズムとしては、線と線の接触である、と言う点を除けばType7と同じです。各線からギャップを考慮し、線同士の距離がその範囲に入ったときに接触と判断されます。こうして、シェルのエッジ同士等の接触を取り扱うことができますが、接触の相手の検索の効率がType7程は高くないため、Type7のように全体に与える、といった事はせずに、エッジ接触が起こりそうな部分のみに設定するようにします。
  24. 現在、Radiossの接触において、特にシェル同士やシェルとソリッドの接触において、最もよく用いられているのが、このType7接触インターフェースです。 Type7接触インターフェースは、サーフェス-節点接触タイプに属する接触インターフェースですが、その法線を定義するのではなく、そのセグメント周りにGapを設定し、そのGap内にセグメントを構成する節点以外のスレーブ節点が入った時に接触と判断します。こうしたアルゴリズムとする事により、一つの接触インターフェースで両側からの接触を取り扱うことが可能で、また、スレーブ節点群にはマスターサーフェスを構成する節点自身を与えることも可能です。従って、自己接触も可能で、さらに、シェルで構成された、例えば車体全体を一つのマスターサーフェスと一つのスレーブ節点群とした全体接触インターフェースとして与えることも可能です。 このように、古典的なインターフェースよりもはるかに効率化された接触インターフェースですが、Gap内にスレーブ節点が入った段階で接触と判断する、というアルゴリズムの関係上、このGapの値は0にできないことには注意が必要です。例え0を与えたとしても、板厚や要素サイズから自動的に0ではないGapの値が計算され、適用されます。 また、接触と判断された節点がマスターサーフェスを貫通することが無いように、貫入量が大きくなるほど接触剛性が大きくなる非線形剛性が適用されます。この点の詳細については、Radiossユーザーズガイド->よく有る質問->接触インターフェース: インターフェースタイプ7に対する初期インターフェース剛性はどのように計算されますか? をご覧ください
  25. 陽解法コードでは衝突解析などでの接触を扱う為に、様々な接触インターフェースが考案され実装されてきています。ここではまず、古典的な接触インターフェース、サーフェス-サーフェス接触(Type3)、サーフェス-節点接触(Type5)について記します。 サーフェス-サーフェス接触(Type3) この接触ではシェル要素もしくはソリッド要素の表面の節点からなるセグメントを考え、その法線を定義します。法線はお互い向かい合っているものとし、接触は、このセグメントの法線方向から発生し、向かい側の節点がセグメントを越えたときに接触と判断します。これを両者のサーフェスのセグメント毎に行います。従ってこの接触インターフェースは対称のインターフェースとなります。 サーフェス-節点接触(Type5) これを片側のマスターサーフェスと、スレーブ節点としたのがサーフェス-節点接触です。やはりマスターサーフェスのセグメント毎に法線を考え、そのセグメントを節点が超えたときに接触と判断します。 これらの接触インターフェースでは、いずれもセグメントの法線を考え、そのセグメントを越えた時点で接触と考える手法ですので、もし、両側からの接触が生ずる場合には、別途接触インターフェースを定義する必要があります。また、自分自身が変形して接触するような自己接触は表現できません。更に、複雑な接触となると、接触の相手をうまく検索できない、といった問題があり、より改良された接触インターフェースが色々と考案される事となります。現在ではここで示したような古典的なインターフェースが用いられることはほとんどありません。
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